えびす歯科副院長の歯内療法のブログ

歯内療法を専門にしている歯医者です

2023-01-01から1年間の記事一覧

右上7の意図的再植を行なったケース①

40歳男性、右側頬部、歯肉の腫れを主訴に3年前に来院されました。 頓服を2時間おきに服用し、氷冷されているということでした。 初診時、診査の結果はこちら 右上7に強く症状を認めていました。 レントゲンがこちら。 7番は、補綴物の適合不良、根管充填…

歯髄診査の重要性、神経をとる必要があるか?②

前回の続きです。 この症例のように、歯が原因なのか?鼻が原因なのか?はっきりしない上顎洞炎というのは珍しくありません。 近年は花粉症やシックハウス症候群といったように、アレルギー疾患の患者数も増加 していることから、なおさらその診断が難しいケ…

歯髄診査の重要性、神経をとる必要があるか?①

44歳女性、主訴は"右上の歯の痛みと違和感"でした。 現病歴として、1ヶ月ほど前から鼻症状( 鼻詰まり、後鼻漏 )を認めていたため 耳鼻科を受診し、抗生剤を処方されたものの改善されず、次第に疼痛が強くなり、 右側顔面部や歯にも痛みを生じるようになっ…

上顎洞内に突出した破折器具の除去

66歳男性、主訴は「噛むと痛みがある。」とのことでした。 診査の結果はこちら。右上6は打診に対して痛みを示しており、主訴と整合性が とれました。 そして、初診時のレントゲン写真がこちら これは!! 非常に長い破折器具が写っています。過去の根管治療…

クラックにより起こった不可逆性歯髄炎のケース

69歳女性 2ヶ月前、「右下奥歯に、虫歯のような痛みがある」との主訴で来院されました。 右下大臼歯部の咬合面は修復処置がされていましたが摩耗しており、咬合面遠心にかけ クラックが見られました。 そこから2週間後「眠れないほど痛かった。頓服を3~4時…

愛媛大学にて根管治療セミナーを行いました

10月17日、11月28日に愛媛大学にて根管治療セミナーをしました。 先生方は、非常に熱心に受講されていました。 ディスカッションも活発に行われ、私自身も楽しい時間を過ごすことができました。 素敵な個室の懇親会場で、内田教授方と楽しい時間を過ごさせて…

20年以上前に行われた手術の失敗の原因は?

47歳 女性。 主訴は、「歯茎に何かできている。」ということでした。 下顎前歯部歯肉に、膿瘍ができ、左下1には打診痛も強く認めました。 20年以上前に手術をした記憶があるとのことで、メスで切開した瘢痕が残って います。 初診時のレントゲン写真。 今は…

根管が見つからないから抜歯?

71歳の女性。 3ヶ月前に、虫歯になった左下3に痛みが出てきたため、かかりつけ医にて抜髄処置 を行うことになったそうです。 ( マイクロスコープによる精密根管治療をされている先生ということでしたが ) 2回根管治療を行い 「探したけれど根管が見つか…

歯内療法を再考する

歯科雑誌クインテッセンスから出版された、別冊 "歯内療法を再考する" に、 日本歯内療法学会でポスター発表した症例が掲載されました。 症状のある上顎7番の再治療により未処置根管を治療し、上顎洞の粘膜肥厚も消退 したケースについてです。 上下顎7番…

手術をしても治らなかった歯が再根管治療で治癒した

41歳男性の患者さんです。 主訴は、”右下奥歯を何度も治療をしているが、腫れてくる。 先生は、免疫が原因だと言って取り合ってくれない”という事でした。 ”何度も治療した”、というのはよくお話を伺うと、再根管治療をして治らなかったの で、歯根端切除術…