47歳 女性。
主訴は、「歯茎に何かできている。」ということでした。
下顎前歯部歯肉に、膿瘍ができ、左下1には打診痛も強く認めました。
20年以上前に手術をした記憶があるとのことで、メスで切開した瘢痕が残って
います。
初診時のレントゲン写真。
今は使われなくなりましたが、20~30年以上前には、歯根端切除術の逆充填に
使用されていたアマルガムと思われる充填物が見られます。
またこのアマルガムが原因と見られる扁平苔癬の再発を繰り返しているということ
でした。
3本手術をしていますが、斜めに切断されていたり、歯の一部が切断されずに残って
いる状態です。
不完全な歯根の切除、逆形成や逆充填が十分に行われていないことが、失敗の原因
であると思われます。
治療計画として、まず再根管治療を行い、
その後アマルガム除去も含めて、歯根端切除術を行うことになりました。
根管充填後のレントゲン写真
左下2番根尖端が破壊されていたため、根尖にはBio-C-Repairのパテを充填しました。
1ヶ月後、歯根端切除術を行いました。
※以下手術写真になります。気分を害する方は閲覧をお控えください。
初診時のレントゲン写真に見られるように、従来法と言われる手術と
今回行った、マイクロスコープや超音波装置を使用して行われる方法の違いを
以下に示しました。
さらに封鎖性、生体親和性が高く、硬組織の形成を誘導するといったさまざまな
利点を持つバイオセラミック製のパテ(Bio-C-Repair)を使用することで、従来法と
比較し、高い成功率を期待できる治療となりました。
術後のレントゲン写真。
今後は経過観察を行なっていきます。